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愛知県立大 夜間学生帰宅70分待ち

リニモ混雑『万博とは無関係なのに帰りの客の列に並ばされ???』

愛?地球博(愛知万博)長久手会場近くにある愛知県立大学の夜間コースの学生が帰宅時に、最寄りのリニモ(東部丘陵線)万博会場駅の混雑に巻き込まれて、悲鳴を上げている。学生が普段使う通路が混雑時には閉鎖され、万博客の長い行列に並ばされるためだ。一時間以上待つこともあり、昼は仕事、夜は勉強と忙しい学生たちは「何とかして」と訴え、大学側は善処を要望している。
大学はリニモの駅をはさんで長久手会場と反対側にある。万博が混雑していない時は会場とは反対側の通路から改札口に入れた。
ところが万博の入場者が増え、帰りの客で午後八時ごろからリニモが込み始めた四月中旬ごろ、突然、改札に向かう二つの通路のうち一つが閉鎖されるように。
リニモを運営する愛知高速交通は「客を安全に誘導し、駅構内の混乱を避けるため」と説明。学生たちも駅係員の誘導で、会場から出てきた大勢の万博客と同じ列に並ばざるを得なくなった。
待ち時間は長い日で七十分、藤が丘行きだけで三千人が並ぶ。
同大外国語学部夜間コースに通う愛知県豊川市の女子学生(19)は毎日、名鉄、地下鉄、リニモを乗り継ぎ片道約二時間かけて通う。授業は午後九時に終わり、四月の入学当初の帰宅時間は同十一時ごろだった。
しかし、連日のように大学側通路が閉鎖される最近は午前零時を回ることもしばしば。昼間はアルバイトをしており「毎晩勉強した後にこんなに長時間並ばされては疲れる」と不満顔だ。同県豊橋市から通う別の女子学生は名古屋駅で乗り換える終電に間に合わず、友人宅に泊まったことが二度あった。
県立大学は一九九八年に名古屋市瑞穂区から移転、リニモの開通と同時にバス路線が廃止されてリニモが唯一の公共交通機関。同大事務局によると、リニモを利用する夜間の学生は三百人ほどで、学生からの苦情を受けて二十三日、愛知高速交通に対し、これまでと同じ通路を通してくれるよう要望したが明確な返答はなかった。
同社は「万博に来た客も長時間並んでもらっている。学生だけ特別扱いして、客に理解してもらえるかどうか。博覧会協会や愛知県などとも相談したい」と話すが、学生の間からは「勉強と遊びを一緒にしないでほしい」との声も出ている。

出典

  • 中日新聞
    平成17(2005)年5月26日 夕刊 社会13頁

※この記事は中日新聞社の許諾を得て転載しています。